愛の言葉を刻む結婚指輪

結婚指輪を購入するときに、リングの内側に入籍日やお互いのイニシャル、愛にまつわる言葉などを刻むことがあります。リングに言葉を刻み込む風習自体は、かなり古い時代から行われており、「ハニー」と刻まれた紀元前の婚約指輪が発見されています。古代ローマ時代の妻の結婚指輪には、指輪を贈った夫の頭文字を刻んだものもありました。ローマ時代は、「3」という数字が縁起がよいとされていたため、指輪に刻む言葉も3つの単語で表現できる短い言葉が好まれました。

17世紀のヨーロッパでは、愛の言葉を刻むポージーリングが流行し、当時の結婚を控えた女性が家族とともに結婚指輪にどのような言葉を刻むか考える様子が書物に記されています。ポージーリングは、当初はリングの内側に刻み込んでいましたが、18世頃になると外側にエナメルで装飾を施して表すようになりました。18世紀末になると、指輪の金の純度を刻印することが義務付けられた「結婚指輪法」が制定されたことにより、言葉を刻むスペースがなくなったため、ポージーリングは徐々に消えていきました。現代では、ポージーリングの人気は復活しており、刻印技術も進んでいるため、リングに刻める言葉の数も増えています。

日本では英語で愛のメッセージを刻むことが多いですが、最近はギリシャ語やフランス語なども人気があります。また、言葉だけでなく桜などの日本古来のモチーフやお互いの家紋を刻印するなどさまざまなバリエーションが出てきています。

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