結婚指輪はいつ頃から始まったのか?

日本で、結婚指輪を贈りあう習慣は、戦後以降で歴史はまだ50年ぐらいしか経っていませんが、世界的にみると結婚指輪の起源は古代ローマ時代まで遡ります。ローマ時代は、男性が花嫁の父親にお金を支払うことで結婚が成立していました。現代のような恋愛結婚ではなく、売買婚と呼ばれるお金で妻を買取る結婚が主流だったため、夫婦の愛の証として結婚指輪を贈る風習はありませんでした。花嫁を買取った印として、男性が花嫁の父親に鉄や金でできた指輪を贈っていました。

夫婦の絆と表現する意味づけで結婚指輪を交わすようになったのは、9世紀以降です。9世紀のローマ教皇ニコライ1世が、結婚指輪を交わしたことが書物に記録されており、それ以降王族や貴族の間で成婚のときに指輪が交わされるようになりました。13世紀頃には、ヨーロッパ全土に指輪が結婚の重要な道具として交わされるようになりました。指輪の素材は、古代ローマ時代の頃は、鉄のリングが主流でしたが、ローマ時代末期ごろには金が使用されるようなり、現在のヨーロッパでも金のマリッジリングが主流になっています。

現在は、婚約と結婚のときにそれぞれエンゲージリングとマリッジリングを用意しますが、19世紀以前はどちらか一つしか用意していませんでした。アメリカでは、19世紀までマリッジリングは、男性はせずに女性だけがはめていた時代もありました。指輪をはめる左手の薬指は、古代ギリシャで心臓に一番近い血管が左手の薬指にあるとされていたのが理由だといわれています。

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